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バルサを2戦連続完封。ユーベの強固な守備組織。共通理解が可能にする高度な連動性

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

ユーベにもネックはあったが…両SBがメッシ、ネイマールに粘り強いマッチアップ

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古巣対決となったダニエウ・アウベス(左)は試合終盤にもボールを追い続けた【写真:Getty Images】

 もっともハードワークを続けるユーベにとって、戦略上のネックがないわけではなかった。体力面だ。4-2-3-1の布陣で戦うようになってからは後半に落ちる試合が多く、準決勝の1stレグでも70分過ぎから相手にペースを譲っている。

 この日も同じように前線の動きが鈍り、守備の連動が少しずつ遅れ、バルセロナに立て続けにチャンスを作られた。

 しかしこの日は、前半からハイペースで攻撃を繰り返したバルセロナの方が逆に足が止まった。終盤はユーベの方がチャンスを作り、最終的にシュート数も12本と盛り返す。枠内シュートに至っては4本と、バルセロナを大幅に上回ってもいた。「フィニッシュワークは向上させなければ」とマッシミリアーノ・アッレグリ監督は反省していたが、ベストに近い戦略は遂行できたと言える。

 それにしてもこの2戦で、ユーベの各選手が見せたハードワークには凄まじいものがあった。言及が一番後になってしまったが、メッシとネイマールに粘り強くマッチアップしていた両サイドバックもその代表格だ。

 アレックス・サンドロは普段攻撃で評価される選手だが、守備でも粘り強く体を張った。古巣との対決という利を活かしたダニ・アウベスは、ネイマールを良く抑えた。全選手の体力が尽きた終盤に、猛然と前方のボールを追い掛ける様子も印象的だった。

 爆発力のある相手に、攻められながらも隙は作らず無失点でコントロール。その秘訣となったのは、全選手が互いをフォローするチーム力だ。最後までサイドバックに1対1の守備を強いていたバルセロナがユーベに屈したのは、そのあたりの差ではなかっただろうか。

(文:神尾光臣【ミラノ】)

【了】

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