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バルサを2戦連続完封。ユーベの強固な守備組織。共通理解が可能にする高度な連動性

ユベントスは現地時間19日、チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝でバルセロナと対戦。アウェイで0-0の完封を収め、2試合合計3-0で準決勝進出を決めた。リオネル・メッシ、ネイマールら強力攻撃陣を擁するバルセロナ相手に、ユベントスは凄まじいまでのハードワークを見せ、枠内シュートをわずか1本に抑えた。ユベントスは、いかにしてバルセロナから攻撃の精度を奪っていったのだろうか。(文:神尾光臣【ミラノ】)

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

ユーベ、敵地でバルサを完封し準決勝進出

ユベントス
ユベントスはアウェイでバルセロナを完封し準決勝進出を決めた【写真:Getty Images】

 17本。19日のCL準決勝2stレグ、バルセロナvsユベントス戦で、ユーベの守備陣がバルサの攻撃陣に浴びせられたシュートの数である。

 バルセロナのポゼッション率は60%を超えた。スタッツだけを見れば、圧倒されていたのはユーベであって、彼らの準決勝進出は相手に助けられただけという見方もできるかもしれない。バルセロナのルイス・エンリケ監督は「ボールは我々が管理していたし、シュートだって13、4本ほど放った。これで敗退が決まるのは辛い」と語っていた。

 だがこの日のスタッツの中には、バルサの拙攻をスコア以外にも如実に物語る数字があった。枠内シュートは、終わって見ればたったの1本だったのだ。CLにおいて彼らの1試合平均は5.1本だから、大幅にスタンダードを下回る出来だったことは明らかだ。

 そしてこれは当然、ユーベの守備が強固だったという意味でもある。選手一人一人のハードワークで築いた守備組織が、相手から攻撃の精度を奪っていた。

 ユーベは、最初から引いて守っていたわけではなかった。むしろ試合開始からしばらくは1stレグ同様にDFラインを高い位置まで上げて、ハイプレスから両サイドの裏を狙って速攻を仕掛けていた。

 しかし、さすがはバルセロナである。ルーズに過ぎた1stレグとは打って変わって、FWとMF陣は猛烈に動いてプレスに参加。ルーズボールを拾った後に素早くパスを交換し、厚みのある攻撃を仕掛けてユーベの最終ラインを下げさせた。

 ただ彼らはここで焦らず、準備していたことをもう一つ実行する。攻守を入れ替えられた場合にはすぐに下がり、縦の幅を15メートルに縮めたコンパクトな守備ブロックを形成。しかも、ただ引いてゾーンを固めるだけではなく、フレキシブルな連動で相手の攻撃に対応した。

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