まさにCロナウドの主演舞台に。輝くべき場所を誰よりも知るスーパースター
延長戦も含めた120分間で、最も大きなスポットライトを浴びることになったのはクリスティアーノ・ロナウドだった。試合を通じて最も走っていない選手の1人であり、オフェンス面のスタッツで目立った数値を記録していない背番号7は、自分が輝くべき場所を誰よりもよく知っていた。
延長前半終了間際の105分、セルヒオ・ラモスのロングボールをペナルティエリア内で受けたC・ロナウドは、パスを胸でコントロールしてGKマヌエル・ノイアーの足元を射抜くシュートを放つ。これで2-2、2戦合計スコアは4-3になった。
さらに109分、左サイドを猛然と駆け上がってきたマルセロから完全フリーのC・ロナウドへラストパス。熟練のポイントゲッターは何食わぬ顔でボールをゴールへ流し込んだ。3-2。2戦合計スコアで5-3とし、バイエルンを奈落の底へ突き落とした。
最後はマルコ・アセンシオが見事な個人技でマッツ・フンメルスを振り切り、準決勝進出をより確実なものとするゴールを奪って終戦。C・ロナウドは76分にもゴールネットを揺らしていたため、終わってみればハットトリック、そしてCL通算100得点という偉業も成し遂げた。
延長戦で生まれたC・ロナウドのゴールにはオフサイド疑惑も持ち上がっているが、彼の“主演舞台”においてそんな瑣末な疑いは意味をなさない。誰よりも走っていなかったとしても、最後に極上の光と拍手喝采を浴びているのがスーパースターたる所以だろう。