静岡ダービー後に語った右SHでの試み。『少ないタッチ数でも仕留めることの重要性』
前節を終えた時点で磐田の奪ったゴールの大半が彼の左足から生まれており、このファンタジスタの力は説明不要の次元にある。何より、中村俊輔自身が磐田に勝利をもたらそうと必死に戦っている。その姿勢は、たとえプレーエリアが変わったとしても揺るがない。
開幕からトップ下で起用されてきたレフティーのポジションが右サイドハーフに変わったのは、第5節・清水エスパルス戦からだった。「どこにいても自由」と、名波監督は中村俊輔の創造性に制限をかけていない。周囲の選手も配置転換をそれほど意識していないようだった。
新たに2列目中央を務めるようになった松浦拓弥が「ポジションは基本的にあってないようなものだし、スタートする位置が変わっただけ」と話せば、「トップ下の時も(俊さんは)右サイドに降りてくることがあったし、そんなに変わりはないかな」と川辺駿も話した。
もっとも、本人は変化を感じている。3得点全てに絡んだ静岡ダービーの後、多くの報道陣に囲まれた中村俊輔は右サイドでのプレーについてこう語っている。
「ボールに関わる回数が少なくなる。僕以外の選手も流動的に動いて崩せるように、僕が(タッチ数)20回、30回でもあちこちで起点を作らないと。逆に言うと20回、30回でも相手を仕留めるというか、勝利にできる何かをサイドで自分が作らなきゃなというのはある」