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セリエA 8年前

ミラノダービー、劇的ドローを生んだ要因。インテルはなぜ崩れたのか? 長友は守備で数的不利に

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

ミランの変更に対応できなかったインテル。長友は守備で数的不利に

長友
ミランに数的不利を作られてしまった長友佑都【写真:Getty Images】

 逆にインテルは、ミランの修正に対する変更がまるでうまくいかなかった。守備にも献身的だったペリシッチを途中で代えるのは疲労の面からも止むを得ないことだが、その後に入ったエデルが中に入るばかりで、まるで守備を助けなかった。

 ミランの連携の固めていた左では、結局長友が逆に一度に2人を見なければならなくなるような状態に陥る。1点差に詰められたゴールは、そうやって取られたものだ。サイドにスソとデウロフェウがいて、スペースが大いに空いているところに長友が一人。向こうが好きに動ける状態でスソとマッチアップした長友は、左から右に持ち直した相手の動きまでカバー仕切れず、クロスを上げられて失点につながっている。

 そして彼らは、ミランの2トップに合わせるように3バックへ変更するのだが、それが守備の連携をズタズタにした。

 しかも3人目のCBであるジェイソン・ムリージョ投入の際に、中盤でボールキープを保証していたジョアン・マリオを下げてしまったために、キープからの押し上げも効かずに防戦一方に。そして2失点共に、セットプレーの守備の流れからエリア内にマークのズレが起こり、それが原因で決められたことは最後尾のシステム変更と無関係ではあるまい。

 そもそも多くのチャンスがありながら、追加点が取れなかった詰めの甘さにも最後に泣かされた今季のミランは終盤に強い。それを十分分かっていれば、相手を調子付かせないよう機能していた守備戦術をキープするという手段も取れたのではないのだろうか。

(取材・文:神尾光臣【ミラノ】)

【了】

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