「魂」のこもった決勝弾、そして勝利
開始早々の3分にマルコ・ロイスの復活弾で先制したドルトムント。スタジアムも平静を取り戻し、いつものブンデスリーガの光景が広がっていた。詰めかけたフランクフルトのファンも、相手に変に肩入れせず、ドルトムントを罵るチャントを口ずさむ。
29分には、マルコ・ファビアンが遠慮なく強烈なミドルを叩き込んできた。ところどころミスパスも目立ち、苦しい戦いを強いられたドルトムントだったが、35分、お返しとばかりにソクラティスが観衆の目を奪うミドルシュートを決める。
このギリシャ人DFにとっては、“意味”のあるゴールだった。
「2-1と勝ち越したから、もちろんチームにとっては重要な瞬間だった。だけど僕にとっては、ゴールは精神的に大切なものだった。僕の魂にとってもね」
後半は、香川が振り返るように「チームの勢いがどっと落ちた」。試合そのものが停滞する。ドルトムントは何度か訪れたチャンスを決め切れなかったが、ようやく86分に、カウンターから最後はピエール=エメリク・オーバメヤンが決め切って、ゲームに終止符を打った。
3-1という快勝にも、“難しさ”が伴ったと香川は言う。
「コンディションというよりは、メンタル的にやはり難しかったと思います」