主将・高山の長期離脱。5日早朝にもたれた話し合いの場
ゴールキーパーの秋元陽太、湘南ベルマーレのチームスピリットを伝えるアンバサダーを昨シーズンから務めるMF藤田征也、そしてボランチの菊地俊介が緊急の話し合いの場をもったのは5日の早朝だった。
午前9時半から始まる練習の直前。場所は馬入ふれあい公園サッカー場の管理棟1階に設けられたメディカルルーム。昨シーズンから引き続き副キャプテンを務める入団4年目の25歳の菊地は、ともに今年30歳になる秋元と藤田からこう切り出されたと明かす。
「僕は去年大けがをして長期離脱してしまいましたけど、左腕にキャプテンマークを巻いてプレーすることでひと皮むけるんじゃないかと、(秋元)陽太君と(藤田)征也君から言われたんです」
時計の針を3月25日に戻す。ホームのShonan BMWスタジアムにジェフユナイテッド千葉を迎えたJ2第5節で、ベルマーレはFWジネイ、MF奈良輪雄太のゴールで2‐0の快勝を収めた。
しかし、好事魔多し。左ワイドを主戦場として「湘南スタイル」の根幹をなす「前へ」の精神をピッチで具現化していたダイナモ、キャプテンの高山薫が右ひざを痛めて前半終了間際に退場してしまう。
しかも、1日に発表された精密検査の結果がショックに拍車をかける。右ひざ前十字じん帯の損傷。全治まで約8ヶ月ということは、イコール、今シーズン中の復帰はほぼ絶望となったことを告げる。
翌2日にはアウェイでカマタマーレ讃岐との一戦が控えている。曹貴裁監督は副キャプテンの菊地に代行を任せたが、開始4分でミス絡みから先制されたベルマーレは動揺し、攻守ともに精彩を欠いてしまう。
最終的には前半のうちに3失点を喫し、攻撃陣も不発に終わった。6試合目で喫した初黒星に、指揮官は秋元、菊地、DFアンドレ・バイアの副キャプテンに代行を任せていくプランの変更を決める。
「讃岐戦の後に(いまのままでは)よくないと思って。誰かが口火を切って選手間で話をしていくというところで、副キャプテンにキャプテン代行を務めさせるよりは、(高山)薫がいない間はちゃんとキャプテンを置いたほうがいいと。ただ、僕は当初、年長ということで(秋元)陽太にやらせようと思っていた」