まずは守備ありき。フィールドを広く使わず狭く攻撃
サンティアゴ・ベルナベウでプレーするレアルはCLのときのような戦法は採らない。従ってアトレティコも本来の堅守速攻で対抗した。1点リードされて終盤に入ってから攻撃カードを切り、レアル守備陣の隙間を縫うような突破からグリーズマンが決めた1点は大きな成果といえるかもしれない。
レスター戦では、バーディーと岡崎のハイプレスを巧みなポジショニングで空転させ、間延びした隙間に縦パスをつないで前半を優勢に進めた。
だが、昨季の課題を解決できたのかといえばそうではない。
レスター戦の後半は、レスターが4-5-1で守備を固めると追加点を奪えなかった。レアル戦のグリーズマンのゴールは見事ではあるけれども、レアルは守りにはいって強いチームではない。
そもそもアトレティコのサッカーは守備を基調にしている。攻撃の基本はフィールドを広く使うことだが、アトレティコは狭く攻撃する。中央を経由する攻撃は少なく、タッチライン沿いに狭い地域を執拗に攻め込んでいく。ワンタッチパスやフリックを織り交ぜながら、サイドのスペースへ入れ替わり立ち替わりプレーヤーをローテーションさせていく攻撃は確かに鮮やかだ。