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アトレティコが直面する課題。ダービーとCLで見えた盾型チームの現在地【西部の4-4-2戦術アナライズ】

アトレティコの躍進を受けて、復活の感がある4-4-2システム。15/16シーズンのCL決勝では攻撃力不足という問題にぶち当たったアトレティコだが、その課題は解決できているだろうか。『サッカー 4-4-2戦術クロニクル 守備陣形の復興と進化』(カンゼン)を上梓した著者が、シメオネ率いるチームの現在地を読み解く。(文:西部謙司)

シリーズ:西部の4-4-2戦術アナライズ text by 西部謙司 photo by Getty Images

レアルとのダービー、同型のレスター戦という試金石

アトレティコ・マドリーを率いるディエゴ・シメオネ監督
アトレティコ・マドリーを率いるディエゴ・シメオネ監督【写真:Getty Images】

 レアル・マドリーとのダービーを1-1で引き分けたとき、ディエゴ・シメオネ監督はガッツポーズをみせていた。サンチャゴ・ベルナベウで終盤に追いつき、勝ち点1をもぎとった(相手から2ポイント奪った)。首都のライバルであり、2度もCL決勝で苦杯を喫した相手でもある。

 ところがミッドウィークのCL準々決勝の第1戦でレスターを1-0で破った後のシメオネは、さしてうれしそうな様子ではなかった。ホームでの最少得点差は、アウェイでの第2戦を考えると十分とはいえない。セビージャもホームでは勝ったが、アウェイで負けてCLから脱落している。

 アトレティコの課題は攻撃力の増強だった。昨季のCLファイナルでレアルにボールを持たされると状況を打開できなかった。しかし、盾型のチームがプレースタイルを変えるのは容易ではない。レアルとのマドリー・ダービー、同じ堅守速攻型のレスターとのゲームは、今季のアトレティコにとって試金石だった。

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