ホーム初白星へ。横浜FM戦が復調へのステップに
森保監督も、前線の2人がチームに今季初勝利をもたらしたことを喜ぶ様子を見せつつ、チームのやり方について疑念を抱いたことは一切なかったと主張した。
「流れの中からここまでゴールできていなかったですけど、リーグの中でもシュート数はトップでしたし、続けていけば必ずゴールできると思っていました」と監督は語る。
「コンビネーションで美しく崩せればそれに越したことはないけど、相手に怖がられるプレーをしよう、シュートを狙っていこう、と言っていました。それをフェリペが実践してくれて、ポストに当たったけれど工藤が狙ってくれていた。ゴールに向かう仕事をしっかりと恐れずにやってくれたと思います」
選手の不調やコンディションの問題も、広島の戦いぶりに影響を及ぼしていた。カウンターの鍵を握るミハエル・ミキッチと柏好文は負傷のため欠場を強いられ、チームのリーグタイトル獲得に大きく貢献してきた塩谷司や青山敏弘も本来の調子を取り戻せず苦戦している。
選手全員が調子を上げてくれば、広島の苦難がそう長く続くことはないだろう。とはいえ日曜日(16日)にはまた、横浜F・マリノスとの難しい一戦が待ち構えている。横浜FMも先週末のジュビロ磐田戦で待望の勝ち点3を獲得し、未勝利期間を終えて広島に乗り込んでくる。
敗れれば広島は降格圏にとどまることになるが、ホームでの今季初白星を挙げることができれば、より慣れ親しんだ順位への復帰に向けた次のステップとなるかもしれない。
(取材・文:ショーン・キャロル)
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