クラブ史上初の開幕5試合勝ちなし。2人のFW退団が大きく影響
サンフレッチェ広島は2017シーズンを悲惨な形でスタートさせたが、先週金曜日(7日)のアウェイでのガンバ大阪戦は激戦の末に1-0で勝利。森保一監督のチームにとってターニングポイントとなる試合だったかもしれない。
忘れてはならないが、サンフレッチェは2012年から15年までの間にJ1で3度王者となり、ほんの1年半前にはクラブW杯準決勝でリーベル・プレートと接戦を演じた。そのチームは昨季、年間総合首位の浦和レッズに19ポイントの差をつけられての6位という低調な成績で終え、今季序盤戦ではそこからさらに調子を落としてしまった。
サンフレッチェが開幕から5試合で1勝も挙げられなかったのはクラブ史上初。ホームでのアルビレックス新潟との開幕戦に1-1で引き分けたあと4連敗を喫し、その4試合でわずか1得点しか挙げられずにいた。
新シーズンを前に佐藤寿人とピーター・ウタカを手放す選択をしたことを考えれば、ゴール前での苦戦はさほど驚くべきことではなかった。Jリーグの歴史上2位の通算得点記録を持つ選手と、2016年の得点王の一人となった選手を失うことが、チームの破壊力に影響を及ぼさないはずはなかった。
ウタカの昨年の貢献を考えれば、彼の望んでいた条件を提示しないという決断は奇妙なものに思えた。クラブの経済力、あるいは野心に不安を感じさせるものだ。
佐藤の退団の影響も過小評価すべきではない。昨季サンフレッチェでの12シーズン目を過ごしたベテランストライカーは、19試合出場にとどまり、665分間プレーして計4得点と、以前ほど中心的な役割を果たしたわけではなかった。それでも、彼ほど経験豊富で尊敬を集める選手の退団は、ロッカールーム内で大きな存在が失われることを意味した。