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セリエA 8年前

北朝鮮とイタリアサッカーの知られざるコネ。18歳FWがセリエA初得点、中田英寿発掘のスカウトも尽力

text by 神尾光臣 photo by Getty Images

中田英寿を発掘したスカウトも大きく関係。ハンは高水準アカデミーで育成

 ハンを発掘したいきさつも、その流れの延長上にあったようだ。大の北朝鮮通として多くのコネクションを持つアントニオ・ラッツィ上院議員(中道右派フォルツァ・イタリア所属)が、北朝鮮サッカー協会とイタリアの有力な育成アカデミーとをつないだ。それが、ペルージャにあるISMアカデミーだ。

 かつて中田英寿が所属したACペルージャの協力のもと、若手の発掘とスカウトで実績を築いた育成機関。ジェンナーロ・ガットゥーゾやアンドレア・ラノッキアなど代表クラスに至ったイタリア人選手も複数おり、そのスカウト網は海外にも伸びる。なおその代表のアレッサンドロ・ドミニチ氏はかのアレッサンドロ・ガウッチと共に、中田の獲得交渉に当たった人間でもある。

 かくして、AFC U-16選手権でスカウトの注目を集めていたハンは、高水準のアカデミーで育てられることになった。毎朝6時に起きて1時間ほどストレッチ、午前中は学校に通って午後練習し、そして早く床に就く模範生だったという。

 ともかく彼はアカデミーでも評判となり、プレミアリーグの複数のクラブのスカウトが視察にも訪れた。そして最終的にカリアリへ。トップチームに引き上げられて2試合に出場し1ゴール、7月1日からは2022年までのプロ契約も結ぶ運びとなった。

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