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ブッフォンの経験と技術が詰まった1対1セーブ。イニエスタの決定機止め勝利呼ぶ

text by 編集部 photo by Getty Images

ブッフォン
ジャンルイジ・ブッフォンがユベントスに勝利を呼び込んだ【写真:Getty Images】

 ユベントスは現地時間11日、チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝1stレグでバルセロナに3-0で快勝を収めた。

 前半開始早々の7分にユベントスがパウロ・ディバラのゴールで先制し、試合を有利に進める。そんな中で迎えた22分に、その後の流れを決定づける重要なプレーが生まれた。

 バルセロナは、中央でボールを持ったリオネル・メッシが、ダニエウ・アウベスの背後をとって最終ラインの裏へ抜け出すアンドレス・イニエスタへ精密なスルーパスを通す。

 イニエスタはGKジャンルイジ・ブッフォンとの1対1の局面で、至近距離から右足で遠いサイドに巻くボールを蹴った。しかし、同点ゴールかと思われたシュートは、ブッフォンが伸ばした左手に弾かれてしまった。

 その直後の23分、ディバラの2点目が決まる。もしイニエスタのシュートがゴールネットを揺らしていたら、バルサが同点に追いついていたら、試合の流れは大きく変わっていたかもしれない。ブッフォンのスーパーセーブはユベントスの勝利を引き寄せる非常に重要なワンプレーだった。

 技術的にもブッフォンの経験が詰まった素晴らしいセーブだった。

 メッシからのスルーパスを受けたイニエスタは、ゴール方向へ体を大きく開いた状態でシュート体勢に入った。この時バルサの背番号8から見て近いサイドにシュートコースはほとんどなく、右足で巻いたボールを蹴って遠いサイドを狙うのがベターな選択肢だった。

 イニエスタの動きを見逃さなかったブッフォンは、メッシのスルーパスがDFの間をすり抜けたのを見て一気に間合いを詰めた。この時しっかりと自分の右側、つまりイニエスタから見て近いサイドのシュートコースを消すポジションを取りつつ前に出ており、シュートの瞬間は相手との距離は1mほどだった。

 シュート以外の選択肢がないイニエスタは、ブッフォンの立ち位置を確認した上でかなり厳しいコースを狙って右足を振る。だが、ブッフォンは至近距離から放たれたシュートに対して間合いを詰めながらしっかりと反応し、左手でゴールの外へ弾き出した。

 イタリアには相手と1対1の場面で体を大きく開いてブロックしに前へ出るのではなく、間合いを詰めながら相手の選択肢を消して確信を持った上でセーブにいけるGKが多くいる。きわどい場面でもしっかりと腕を伸ばして能動的にセーブできることが優秀なGKかの判断基準にもなる。

 39歳のブッフォンは驚異的な反応速度だけでなく細かな駆け引きや読みでも、世界最高峰であることを示した。衰えるどころか経験を積んで成長を続けるユベントスのベテラン守護神は、バルサ戦における真の勝利の立役者と言えるかもしれない。

【了】

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