負けている状況で使った交代枠は「1」
結局試合開始直後の7分、バルサは左サイドを破られてパウロ・ディバラに先制ゴールを許した。サイドに大きく開いたファン・クアドラードにマテューが寄せきれず、中途半端なポジションで守ったことによりディバラへのラストパスを通させてしまった。
さらに23分、2失点目のシーンは相手の速い攻めに対して最終ラインを速く下げすぎて中盤に広大なスペースを作ってしまった。マテューは戻りが遅れて他の選手に並走するだけ、マスチェラーノは完全に遅れてゴールを決めたディバラを後ろから見送るしかできなかった。
ユベントスはバルセロナ守備陣の弱点を緻密にスカウティングし、前半から相手の嫌なところを突き続けていた。守備時のバルサは本来であれば、前線の3人が最初にプレッシャーをかけて相手の攻撃を遅らせ、後ろが4バックにセットするまでの時間を稼ぐ。
しかし、特に2失点目の場面は顕著だったが、DFとMFの[4-3]のラインがうまく揃い切らないと選手間にスペースを作ってしまいがちになり、サイドの裏とDFとMFの間に致命的なほころびが生じる。ユベントスはそのエリアを狙い続け、相手の最終ラインを下げさせた上で、対処しづらいマイナス気味の速いクロスをゴール前に供給していった。前半だけで4、5回はそういった形から決定機が生まれ、実際にサイドは違うとはいえ2点とも同じ形でディバラがゴールを陥れた。
後半開始から、ルイス・エンリケ監督はマテューを諦めてマスチェラーノを最終ラインに戻し、中盤の底にアンドレ・ゴメスを投入する。だが、負けているにもかかわらずバルサが使った交代枠はこの1つのみ。ベンチに6人を残しながら万策尽き、どう動くこともできなかった。
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