デジャヴのような一戦。最初の誤算は選手起用に
悪い夢を見ているようだった。デジャヴのような。
バルセロナは現地時間11日、チャンピオンズリーグ(CL)の準々決勝1stレグに臨み、アウェイでユベントスと対戦した。
結果は0-3の惨敗。
先週末のマラガ戦に敗れてリーグ優勝が絶望的になった状況で挑んだ、今季のタイトル獲得に向けたラストチャンスは誰もが予想しなかった形に終わり、無冠が現実味を帯びてきている。
最初の誤算は選手起用にあった。中盤の要であるセルヒオ・ブスケツが出場停止だったが、バルサのルイス・エンリケ監督は3バックと4バックを併用するいつも通りの布陣を選択した。アンカーにはブスケツの代わりにハビエル・マスチェラーノが起用され、最終ラインには高さを考慮してかジェレミー・マテューが入る。
ただ、この2人が機能しなかった。マスチェラーノは普段であれば最終ラインの一角を務めるが、アンカーの位置だとやはりブスケツに比べてビルドアップの局面でゲームを作る能力が著しく劣る。ユベントス戦はバルサがボールを保持する時間が長かったが、後方から前線にボールを運ぶ際にスムーズさが失われてしまった。
ブスケツであれば中盤の低い位置で後ろ向きにパスを受けて、DFと細かくつなぎながらうまく前を向いて的確にボールをさばいていく。一方でマスチェラーノは元々守備専任のMFだったため、後ろ向きでボールを扱うことに慣れていない。技術と勇気が足りなかった。
また、守備時には左サイドバック、攻撃時には3バックの左の役割を務めたマテューは緩慢さが目立った。元々リーグ戦などでも不安定さを露呈してきたベテランは、集中力を欠くことが多く、その弱点がユベントス戦でも時折顔をのぞかせた。
高さの面では必要だったかもしれないが、スピードとアジリティで勝負する選手が揃っていたユベントスの右サイドを相手にマテューでは対応しきれない。明らかにミスマッチが起こっていた。