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ドルトに挑むモナコ。唯一残った“フランス勢”、PSGが実現できないベスト4入りへ

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

スピードの左、スキルの右。両サイドで異なる持ち味

 そして右に陣取るのは、テクニシャン、ベルナルド・シウバ。彼は何もないところからポコっとチャンスを作り出せるタイプで、膠着した展開や、ロスタイムでリードを保っていても、彼がピッチにいる限り相手チームは決して油断はできない。ふとしたところからアクションを起こして、ゴールにつなげてしまうからだ。

 左はスピード系、右はスキル系と、モナコは両サイドで2つの違った味が楽しめる美味しいチームなのである。

 泣き所はベンチ層が厚くないところ。しかし終盤、ボールをキープして落ち着かせたい場面では、ベテラン、モウチーニョ投入という切り札もある。

 と、期待をこめたところで、ファーストレグではモナコに残念なハンデがある。中盤のバカヨコが累積警告でこの試合を欠場。さらに右サイドバックのシディベが、日曜に虫垂炎の疑いで病院へ運ばれるという緊急事態が発生した。

 3月のW杯予選対ルクセンブルク戦でも、試合途中で肋骨あたりに痛みを訴えて運び出された。そのときの痛みも虫垂炎と関連していたのかもしれない。

 どのくらい戦列から離れることになるかは現時点では発表されていないが、ほぼ確実に火曜日のドルトムント戦は欠場となるだろう。

 よってこのファーストレグ、モナコは攻撃陣に奮闘してもらい、1点でも多くもぎとってアウェイゴールのアドバンテージを稼ぎたいところだ。

 PSGがこの4年間実現できなかったベスト4入りを、モナコが成し遂げることができるか。今回も03-04シーズンのとき同様、フランスのサッカーファンはみな「モナコはフランスの代表だっ!」と胸を張ってこの高貴な赤白軍団を応援している。

(取材・文:小川由紀子)

【了】

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