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ドルトに挑むモナコ。唯一残った“フランス勢”、PSGが実現できないベスト4入りへ

text by 小川由紀子 photo by Getty Images

救世主となったロシア人オーナー。ディミトリ・リボロフレフ氏

モナコのオーナー、ディミトリ・リボロフレフ氏
モナコのオーナー、ディミトリ・リボロフレフ氏【写真:Getty Images】

 しかしここで救世主が現れる。

 2011年12月、ロシアの富豪ディミトリ・リボロフレフ氏がクラブの経営権を買いとって新オーナーに就任すると、その数ヶ月前にカタール勢が参入してメガクラブ化計画をスタートさせたPSGの対抗馬となるべく、真剣なクラブ再建に乗り出したのだ。

 新体制のもと、モナコは翌シーズンにはリーグ2の頂点に立ってリーグ1に昇格。トップリーグへの復帰を祝うかのように、新オーナーは大枚をはたいてハメス・ロドリゲス、ラダメル・ファルカオ、ジョアン・モウチーニョらスター選手を獲得した。

 その甲斐あって昇格初年度とは思えない強さを発揮したモナコ。1月のカップ戦で膝の十字靭帯を損傷したファルカオは、その後のシーズンを棒に振ったが、クラブは復帰初年度からPSGに迫る2位で復帰初年度を終え、晴れて翌年の14-15シーズン、9年ぶりに欧州の最高峰コンペティションに復活したのだった。

 夏のメルカートでロドリゲスとファルカオを手放したメンバーながら、CL復帰初年度にしてモナコはグループリーグを首位で通過。ラウンド16ではアーセナルを下して準々決勝に進出し、そこでユベントスに総計0-1と僅差で敗れるまずまずの成績を収めた。

 次の15-16シーズン、つまり昨季は、予選でバレンシアに敗れてヨーロッパリーグに回ると、グループリーグ3位で敗退と欧州での成績は振るわなかった。

 国内リーグは2位のリヨンと勝ち点タイの3位と、一見そこまで悪い成績ではなかったが、このシーズンはモナコにとっては今後飛躍するための準備と学びの年だった。

 地味な試合内容で堅実に勝ち点を稼ぐジャルディム監督のやり方は非難を浴びたりもしたが、ポルトガルの知将は、現時点でチームに必要なことを手堅くこなしていった。

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