中村俊輔には「足元にも及ばない」。天野が痛感した差
成長を続ける天野純の前に、対戦相手として中村俊輔が立ちはだかった【写真:Getty Images】
天野にとって中村俊輔は身近にいる憧れの存在で、背中を追いかけ続けてきた目標でもあった。対戦相手として初めて対峙することで自身の成長を証明したかったが、その背中はまだ遠かったことを痛感させられた。
「まだまだですね。あのシチュエーションで(フリーキックを)決めることができないのは、めちゃくちゃ…試合に負けるよりもしかしたら悔しいですし、やっぱり今日は決めなきゃいけない試合だったので、まだまだ足元にも及ばないなという感じです」
「対戦してみて、やっぱり嫌な選手でしたし、あそこでボールが収まりますし、僕も俊さんを超えられるように頑張っていきたい」
プロになってから4年目になる天野だが、実はまだリーグ戦でのゴールがない。昨年の天皇杯での2試合連続決勝ゴールは印象的だったものの、本人はフリーキックでチームを勝たせることにこだわりを持っている。それはもちろん中村俊輔のプレーを間近で見てきたからだ。
今月8日の磐田戦でのプレーからは、その試合にかける気合いと、これまで以上に強いゴールへの意欲が感じられた。放ったシュートの数は両チームを通じて最多タイの5本。中盤から積極的に飛び出して、積極的に両足で強烈なミドルシュートを狙っていった。ゴールにこそならなかったが、ハイライトに使われるようなシュートも複数あった。
これまでにない積極的な姿勢は、天野自身がしっかりとしたビジョンを持って日々の練習に取り組んでいる証拠でもあった。もちろん中村俊輔という目標を置きつつ、また別の選手を指標に鍛錬を続けている。
「僕が(ボランチの位置から)ディフェンスラインの裏に抜けるというのは、シティ・グループのサッカーの中のひとつの戦術な部分がある。そういった形は練習からずっとやっていて、監督にもボランチの位置からスプリントで抜け出して、スプリントした中でも正確なプレーを求められている。そこをもっともっと高められれば、もっと怖い選手になれる」