「俊さんのためにといつも以上に気合いが入ると思う」(太田吉彰)
「我々には“俊輔ダービー”が待っているので、また気持ちを入れ直してやりたい」
静岡ダービーを制したジュビロ磐田の名波浩監督は、勝利の余韻に浸りながら横浜F・マリノス戦に視線を向けた。
4月8日、明治安田J1リーグ第6節。磐田は横浜FMと対戦し、1-2で敗れている。端的に振り返れば、齋藤学が発揮した異次元のクオリティの前に屈した形だ。リーグ最強のアタッカーへの対応は繰り返し確認してきたが、違いを作られてしまった。
一方で、かつてトリコロールをけん引した天才も、サックスブルーの10番として存在感を示している。
計13シーズンに渡って在籍した古巣に別れを告げた中村俊輔が、新天地に磐田を選んだその瞬間から、今節のカードが大きな注目を集めるのは必至だった。このレフティーがトリコロールのレジェンドであることは、磐田のチームメイトももちろんわかっている。意識はせずとも、特別な一戦という雰囲気は高まっていった。
『俊さんのために』という想いも自然と上乗せされていた。
中村俊輔の右サイドハーフ起用により左に回った太田吉彰は、言葉に力を込めた。
「俊さんも気合いは入っていると思う。でも経験ある選手なのでそういう感情を見せない。勝たなければいけないし、選手も俊さんのためにといつも以上に気合いが入ると思う」