覇気のないドルトムント。全体的に躍動感なく…
バイエルン戦に敗れたドルトムント【写真:Getty Images】
まだ前哨戦に過ぎない。
2017年4月8日のブンデスリーガ第28節、ボルシア・ドルトムントはアウェイでバイエルン・ミュンヘンと戦った。
しかし“戦った”という表現はこの日のドルトムントに、まるで当てはまらなかった。開始早々の4分、あっさりとバイエルンに先制を許す。右サイドを上がったフィリップ・ラームからのマイナスの折り返しを、フランク・リベリーが難なく右足で合わせてゴールを決める。10分にはロベルト・レバンドフスキに直接FKをゴール左下に決められて、早くも2失点目。
怪我人が相次ぐ中、ユリアン・ヴァイグルと香川真司も遠征に帯同しないなど、苦しいチーム事情が続くドルトムント。だからなのか、試合前の練習中からナーバスな雰囲気が漂っていた。そしてそういったことを差し引いても、試合が始まるとピッチ上の選手たちからあまり戦意が感じられなかった。より正確に言えば、消耗を避けたがっている、といったところだろうか。
ドルトムントの十八番である“ゲーゲンプレッシング”は鳴りを潜めた。先鋒となるべきピエール=エメリク・オーバメヤンのプレスは迫力がない。前半戦でバイエルンをホームで迎え撃った時のような、堂々たる躍動は皆無。20分にはラファエウ・ゲレイロが弾丸ミドルで1点を返したが、追い上げムードは起こってこない。30分、バイエルンのカウンターにも選手たちは戻ろうとせず、前線に残ったまま。アリアンツ・アレナにはどこかシラけた空気が漂い、元気がいいのはドルトムントのサポーターたちだけだった。
もっとも、リーグ戦での立ち位置と過密日程を考えれば、こうしたドルトムントのスタンスを責めることはできないだろう。特に直前に試合が行われたホッフェンハイムの状況が、戦略に大きな影響を与えたのではないか。