チェルシーとシティ、今季と来季の明暗
決勝点は35分、セスクからペドロへパスが渡り、ペドロがフェルナンジーニョにファウルされてPK。アザールのPKはいったん防がれたが、こぼれ球をアザールが蹴り込んだ。フェルナンジーニョのファウルはやや不用意だった。
後半、チェルシーのチャンスは1回だけ。シティはCKからのストーンズのシュートが2本、ほかにもシルバのロークロスをアグエロが詰めたシーンもあり、より相手ゴールに迫った回数でシティは上回っていた。
確かにチェルシーの守備は固く、シティもなかなかチャンスを作れていない。試合を膠着させたのはチェルシーの力だが、カウンターアタックはほぼ不発だった。チェルシーはチェルシーのゲームを貫徹したといえるけれども、同時にこれがピークではないだろうか。ここから何かを上乗せするかは難しい。悪い意味で、問題点がみえていない状態。
一方、敗れたシティは問題点がはっきりしている。来季、補強に成功すればレベルアップは確実にできる。今季にかぎれば好調チェルシーと発展途上シティの明暗を分けた一戦だが、来季まで視界を広げてみると明暗は実は逆かもしれない。
(文:西部謙司)
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