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吉田麻也、黒子に徹する“統率力”。サウサンプトンのDFリーダー、プレミア5年目の覚悟か【東本貢司の眼識】

シリーズ:東本貢司の眼識 text by 東本貢司 photo by Getty Images

セインツファンのハートをつかんだ『マヤ・ヨシーダ』

吉田
クリスタル・パレス戦ではゴールを決めた吉田【写真:Getty Images】

 奇しくも、吉田の内に秘めたその覚悟に敬意を表し、しばし祝福するかのようにこのパレス戦の勝ち越しゴールは吉田の右足から生まれた。それも、直前の成り行きから敵ゴール直近の位置にたまたま居残っていた“強運”によって。

 その瞬間、シャツのセインツマークに何度もキスをしたうえ、派手なスライディングパフォーマンスで喜びを爆発させたのも、痛いほどよくわかろうというものだ。同時に、『マヤ・ヨシーダ』の名前は、改めてセインツファンのハートをがっちりつかんだことだろう。このジャパニーズは頼りになる、めったにでしゃばりはしないが、ここぞというときに仕事をやってのけてくれる!

 締めくくりに一しきり、“蛇足”として付け加えておく。日本代表の吉田には少々“熱くやりすぎる”きらいが見えないか。もしそうだとすれば、やはりそれは、サウサンプトンにおける彼の現在の立ち位置からくる余裕と自信との“落差”によるものかもしれない。吉田麻也はひたすらじっと構え、余裕のウィットもスパイスにして、あくまでも黒子のチームの要に徹する方がふさわしい。“結果”のためにも。

 もっとも、そんな“良きゆとり”効果に、ハリルホジッチが気づかないまま、ひょっとして苦言を呈する恐れもなきにしもあらずだが…。あえて“心象的”に予言させてもらうなら、タイ戦大勝にも問題山積がささやかれるサムライブルーの“是非”と希望の行方は、そこ・・にかかっているような気さえするのである。

(文:東本貢司)

【了】

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