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Jリーグ 8年前

鹿島の新星FW安部裕葵。本田圭佑プロデュースチームの出身者が18歳でJデビュー

常勝軍団・鹿島アントラーズに将来楽しみな新星が現れた。1日の大宮アルディージャとのJ1第5節で、クラブ史上で3番目に若い18歳2ヶ月4日で公式戦デビューを果たしたFW安部裕葵。中学時代に日本代表FW本田圭佑の薫陶を受け、広島・瀬戸内高校をへて今シーズンから加入したルーキーは、記録には残らない泥臭い仕事で決勝点の起点となり、憧れ続けてきたプロの世界での第一歩を記した。(取材・文・藤江直人)

text by 藤江直人 photo by Getty Images

ほんのわずかながら、チームの勝利に貢献できた感触

鹿島アントラーズのFW安部裕葵
鹿島アントラーズのFW安部裕葵【写真:Getty Images】

 ほんのわずかながら、それでもチームの勝利に貢献する大仕事に関われた感触が右足のつま先に残っている。鹿島アントラーズのルーキー、18歳の安部裕葵がはにかみながら胸を張った。

「ああいう小さなことがゴールにつながるんだと、あらためて実感することができました」

 大宮アルディージャのホーム、NACK5スタジアム大宮に乗り込んだ1日のJ1第5節。両チームともに無得点の状況でピッチに投入され、公式戦デビューを果たしてからわずか5分後の後半34分だった。

 ボールをもったアルディージャのセンターバック、河本裕之がセンターサークル付近にいたMF岩上祐三へ縦パスを入れる。距離は空いていたが、それでも安部は猛然とパスコースに飛び込んでいった。

「それまでは僕たちがずっと引き気味だったので、急に前からガーッとこられたら相手も嫌だろうなと思っていました。タイミングさせ合えば、どこかで奪ってやろうと狙っていたんですけど」

 必死に伸ばされた安部の右足のつま先をかすめ、微妙にコースを変えたボールはMFレオ・シルバの正面へ。すかさずパスを受けたFW鈴木優磨のアシストから、MF土居聖真の値千金の決勝弾が生まれた。

 出番が訪れる予感を抱きながら、ウォーミングアップを続けた。横浜F・マリノスとの第3節に続く2度目のベンチ入りを勝ち取ったが、このときはサイドハーフの控えという位置づけだった。

 翻ってアルディージャ戦は右足首を痛めたFW金崎夢生の欠場に伴い、リザーブメンバーのなかでフォワードは安部しかいない。自らの役割をイメージしていたからこそ、スムーズに試合に入れた。

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