17年にわたりスポーツディレクターを務めあげたモンチ
モンチことラモン・ロドリゲス・ベルデホは、今週の8日土曜日に行われるデポルティボとの試合の際に、サンチェス・ピスファンのピッチ上に出たいとクラブに要請した。
毎回の試合ごとに「サン・フェルナンドの獅子(モンチの愛称)」と彼へのコールを送るサポーターたちに別れを告げるためだ。ピッチ上には、彼の二人の子供たちであるアレハンドロとマリアが付き添うことになる。
まずは選手として、続いて短期間のみクラブ役員として、そして17年間をスポーツディレクターとして、約30年間をセビージャに捧げてきた彼が一番の犠牲としなければならなかったのがその二人だった。
「別れの日を想像することはない。どのような形であれ、楽しいものにはならないからだ」
サイクルの変化について尋ねられると、彼はいつもそう答えていた。GKとしては平凡な選手であり、セビージャで永遠の控え選手の域を出なかったモンチだが、彼はスポーツディレクターという仕事を再定義して新たなモデルを生み出してみせた。
セビージャはその男を失うことになる。クラブには堅固な組織が築かれており、それは彼の遺産ではあるが、モンチというブランドがあるからこそ開かれる扉も多い。クラブはこれからそのブランド抜きで生きていく術を学ばなければならない。
注目を浴び、主役になることを好むタイプではないが、彼には別れの舞台を用意される資格がある。セビージャで生き、セビージャのために生きてきた男だった。自分の名を中心に据えて巨大な怪物を作り上げることで楽しんできたし、苦しんでもきた。だが空気を入れ替えるべき時がきた。