「東京五輪に出るのであれば…」。18歳GKが描く将来のビジョン
――ブッフォンに憧れてGKを始めましたが、日本人GKで自身のロールモデルになるような選手はいますか?
僕は西川周作選手が好きなんです。足もともセービングもうまいですけど、特に好きなのはピッチの上で自分に自信のある姿を見せるところです。GKは気持ちが一番大事なので、常にポジティブなところを見せる、そういうのは映像を見ているだけでもわかります。セーブしたらいつも周りを励ましていますよね。そういうところもすごく大事だと思います。
――ファンティーニ選手はヨーロッパでプレーする日本人GKの先駆けの1人として、後に続く選手たちのロールモデルになれる可能性を持っていると思います。今の段階では将来に向けてどんなビジョンを描いていますか?
日本のGKはみんな最終的に海外へ行きたくなりますよね。僕は逆に海外でしかやっていないので、日本でのプレーを経験してみたいというのはあります。好きか嫌いかはわからないですけど、絶対にイタリアとは違うサッカーをしているので、自分の力を試してみたい気持ちはあります。オリンピックの代表チームもあと1年か2年したら形が出来上がってしまうと思うので、東京五輪に出るのであれば日本でプレーするのが一番いいかもしれません。
選手としてのキャリアを終えた後のことも時々考えます。自分はハーフなので日本語とイタリア語、それから中国に住んでいたので中国語も喋れますし、ちょっと英語も喋れるので、現役が終わったら自分の語学力を生かすことができればいいと思いますし、GKコーチもしたいと思っています。
中国語ができたら中国でGKコーチをすることができますし、英語ができたらアメリカやオーストラリアにも行けます。言語を勉強することは好きなので、世界に出てコーチをすることもいいなと思いますね。言語のほかは苦手ですけど…数学とかは特に(笑)
(取材・文:舩木渉【チェゼーナ】)
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ファンティーニ燦(あきら)
1998年5月24日生まれ。182cm78kg。イタリア人の父親と日本人の母親を持ち、中国・北京で生まれる。12歳でイタリアへ渡り、父親の地元であるチェゼーナの下部組織に入団。今季は同クラブのU-19チームで正守護神を務め、昨年8月にはトップチームでベンチ入りも果たす。4月3日にサガン鳥栖入団が決定。背番号はチェゼーナ時代と同じ「30」。
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