背番号11最大の魅力。中盤とFWの架け橋に
「限定だったり前からのチェイスだったり、プレスバックとか色々やることはあるけど、やっぱり前の方で出る限りはゴールというのが一番わかりやすい結果だと思うので、そこだけは意識したい」
様々な役割がある中で、松浦は攻守に渡って高いレベルで仕事を遂行した。そして、中盤とFWの架け橋となりストレスなくプレーさせられる能力は、背番号11の最大の魅力だ。各所に顔を出すことでボランチにパスコースを提供し、1トップの川又を孤立させないよう尽力した。
川辺、松浦、川又の縦関係は試合を通して機能。磐田が攻撃に移る時、必ずと言っていいほどこの3人がボールに絡んでいた。そして、松浦は自らスイッチを入れるだけでなく、そこからゴール前へ侵入するなどプレーに連続性を与えている。
今シーズンも開幕からスーパーサブの役割を演じてきたが、自身がピッチに立った時に何ができるか常に考えていた。
「堅碁が身体を張ったところでボールを拾えればチャンスになるかな、といつも思っていた。ただ相手チームや戦い方によって、こっちが押し込まれすぎてしまうと堅碁が孤立してしまうので、そこだけは気をつけた。それでも下がってしまった部分はあったので、そこは次に向けて改善しないといけない」
さらに「駿のいいところはわかっているし、すごくいいタイミングで俺に当ててくれた」と、紅白戦後に考えをすり合わせた川辺との連係もこの短期間で修正してきた。
指揮官が課題に挙げていたワンタッチパスの回数も改善された。松浦の働きが、チームにリズムをもたらしたのだった。
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