CLで躍進、フランス代表でも存在感見せるモナコ勢
この試合では、マンチェスター・ユナイテッドのEL戦(対ロストフ、ラウンド16)で負傷して代表招集を辞退したポール・ポグバに代わって追加招集となったティエムエ・バカヨコも、後半からラビオに代わって出場した。
身長1m84の彼は、ピッチ上ではひときわ大きく、バスケットボール選手が一人混ざっているかのようだ。ときどき髪を真っ赤に染めたりしてまさにフランスサッカー界のデニス・ロッドマン。
所属するモナコでは今季、左サイドバックのメンディからバカヨコ、ルマールを経由してムバッペとつなぐ超高速オフェンスラインが脅威となっている。
スペイン戦ではそんなバカヨコ(22)の暴れっぷりは見られなかったが、ムバッペを筆頭にルマール(21)、そしてこの試合は欠場したメンディ(22)とシディベ(24)らモナコ勢は、来年のワールドカップに向けて成長が期待される若手軍団だ。
なんといってもデシャン監督はモナコ在住ゆえに、彼らには、指揮官の目に触れる機会が多いというアドバンテージもある。
そして試合は、フランスがスペインのボールキープやインターセプトに苦しみ、終始リズムをつかめないまま0-2で敗れた。
ただこのスペイン戦は、結果よりも新人選手を試すことが目的だった。ついこの前までは若手の部類にいたグリーズマンやカンテがいまや中核選手だ。
グリーズマンも試合後、「クラブレベルでどんどん若い選手が活躍している。それはフランス代表にとってとてもありがたいことだ」と兄貴風に話していたが、その状況に伴って、この試合の前に話題にのぼったのは、ベンゼマの招集についてだった。
ベンゼマは、「説明もないのに呼ばれないのは納得がいかない。自分自身では、自分より優秀な選手がいるからだ、と思うようにしているが、純粋にスポーツ面だけが考慮されるなら、レアルでの自分の活躍は、代表招集に価すると思う」とコメント。
デシャン監督は「必要なら呼ぶつもりはある」という意思は示したもののベンゼマについて多くは語っていない。チーム内でも、この話題はある種のタブーになっているらしい。