スペイン相手でも物怖じしないメンタリティ
話は逸れたがムバッペである。デシャン監督はルクセンブルク戦の終盤で彼を投入し、次のスペイン戦では当然ながら彼を先発で使ってきた。
この試合ではカンテ、ラビオ、そしてやはりA代表戦初出場のMFトリッソ(リヨン所属)が中盤で起用、トップ下はグリーズマン、トップにムバッペとガメイロという布陣だが、攻撃陣は流動的に入れ替わるスタイル。
ムバッペは、開始早々に左サイドバックのクルザワからパスを受けてシュート(5分)。これは相手GKデ・ヘアに阻まれた。その後はグリーズマンと動きが重なる場面もあったが、相手DFをスピードで置き去りにしてゴールライン際からシュートチャンスを作るマイナスのパスを出したり(30分)、くさびのパスを受けてから前を向いて展開する好プレーを何度か披露した。
モナコでのようなセンセーショナルなプレーを見ることはなかったが、スペイン代表のDF陣が密集する地帯にも物怖じなく切り込んでいく度胸はさすが。ボールを呼び込む動きも上手いので、試合数を重ねていくことで、攻撃チャンスに絡むプレーがぐっと増えそうな予感を抱かせた。
「フランス代表でプレーすることは夢でもあったから、(初先発は)とても誇りに思ったしうれしかった。いいものは出せたと思う。もともとビビるタイプじゃないから緊張もしなかった」と試合後に語る様子からは貫禄すらうかがえた。
なんとも肝のすわった18歳。やはり18歳でデビューしたイングランド代表のFWマーカス・ラッシュフォードといい、最近のティーンエイジャーは成熟度が高い。
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