今季もリーグ戦で首位独走のユベントス。結局番狂わせも起きそうになく…
代表ウィークが終わり、各国のリーグ戦が終盤戦に突入する。もっともセリエAは、ユベントスが2位ローマに勝ち点差8をつけて独走状態。FWゴンサロ・イグアインやMFミラレム・ピャニッチらをスクデット争いの当該ライバルから引き抜き、開幕前から絶対的優位が噂されていたが、結局番狂わせは起こらないまま優勝決定を待つのみといった状態になっている。
経営面でも、ユベントスはぶっちぎりだ。クラブが発表した2016/17シーズン上半期の決済では、クラブの総収入は31億4900万ユーロと前年比で54%の上昇、さらに当期利益は7200万ユーロと前年比で137,6%増の数字を出した。マンチェスター・ユナイテッドに放出したポール・ポグバの売却益があったとはいえ、大型補強を図って事業費用そのものは増加しているにも関わらず、これだけの利益を出しているのは近年のイタリアクラブでは考えられなかったことだ。
戦力は充実し、スタジアムも近代的だ。2006年の“カルチョポリ”から11年、そこから這い上がり再び国内では強すぎる存在として君臨した今の彼らと、このカンピオナートの状況を、他クラブのファンはどう見ているのだろうか。地元ファンの何人かに話を聞いてみたが、恨みがましく思うような声は案外聞かれなかった。
「やっぱり今のユーベは普通に強いよ。それでいて、試合でうまく行かなくなった時はあれだ、奴らは審判に助けてもらえるから絶対的なんだぜ」
ミラノ市内のバールで働き、ユベントスと最も因縁の深いインテルの熱烈サポーターであるサンドロさん(21)はこう語った。これだけ聞くと十分憎まれ口なのだが、「お前らのクラブの会長だって審判にロレックスをプレゼントしてただろうがよ」という同僚のユベンティーノの罵声を浴びながら、ユーべの強さ自体には異論を挟まなかった。
「圧倒的だよ。オレらのクラブも夏に補強したから期待をしたし、実際に勝ってもいるんだけど、やっぱり長いシーズンで見るとまだまだ叶わない」