「他のベテラン選手にとって非常にいい刺激」(吉田麻也)
右サイドで試行錯誤を続けるなかで、確固たる結果も残して日本を連勝に導く。たくましくも映る23歳の背中に、負傷離脱したMF長谷部誠(フランクフルト)に代わり、2試合連続で左腕にキャプテンマークを巻いたDF吉田麻也(サウサンプトン)はチームの起爆剤になっていると目を細める。
「(久保)裕也がゴールを入れるというのは、他のベテラン選手にとって非常にいい刺激になる」
たとえば30歳のDF長友佑都(インテル・ミラノ)は、北京五輪代表に選出されていた自身の23歳のころと久保を思わずダブらせると笑う。
「昔の自分というか、同じ年代のときの自分を思い出しますよね。(本田)圭佑もそうだったけど、僕も怖いもの知らずで、前へ、前へという感じだった。久保を見ていると、本当に面白い」
今冬に3年半にわたってプレーしたヤングボーイズ(スイス)から、ヘント(ベルギー)へ移籍したことも相乗効果をもたらしている。
「結果もついてきているので、その部分ではチームを変えてよかったと思いますけど。システムも(ヤングボーイズとは)違うし、いろいろなサッカーに触れられているのはいいのかなと」
移籍後は7試合で5ゴールをゲット。直接フリーキックを叩き込んだものもあれば、ハーフウェイライン付近からドリブルで4人を抜き去って決めたものもあった。
バリエーションに富んだゴールと、味方のゴールにも絡む仕事ぶりは、憧れの存在として名前をあげてきた元日本代表FW柳沢敦(現鹿島アントラーズコーチ)をほうふつとさせる。