交代策も批判の的に。2部で不振のFWを2人も起用
この事態を巻き起こしたのは紛れもなく彼自身だ。シュティーリケ監督の人選はメディアはもちろん、サッカーファンの納得も得ていない。Kリーグチャレンジ(2部)で1ゴールにとどまっているイ・ジョンヒョップ(釜山)を先発メンバーに継続して起用したのだ。
また同じくKリーグチャレンジ所属で、昨季後半から続く不振で得点がゼロにとどまっているファン・ウィジョ(城南)も抜擢した。彼らはこの2連戦で無得点に終わっている。
仮に彼らが代表でいい結果を残していても、このメンバー構成は不可解である。今のKリーグには彼らよりいい成績を残しているフォワードが数多くいる。
昇格チームの底力を見せている江原FCで攻撃を牽引する元ガンバ大阪のイ・グノ、ベテランフォワードのイ・ドングク、元アーセナルで現在はFCソウルに所属するパク・チュヨンが代表的だ。彼らは結果も残しているし、リーグでも絶好調だ。
試合での交代策も批判の的だ。シュティーリケ監督は中国戦で、イ・ジョンヒョプを先発で起用した。彼はボックス内でゴールを狙う典型的なターゲットストライカーだ。しかし問題は、その交代で出場したのが196cmのキム・シヌクだったことだ。この長身ストライカーの交代は相手に読み取られていた。相手の守備の足が重かったことを考えると、スピードのある選手との交代が望ましかったという批判が殺到した。
このような低迷から韓国が脱する気配がまだない。しかも残りの3戦は険しい日程だ。6月13日にはカタール(アウェイ)、8月31日にはイラン(ホーム)、9月5日にウズベキスタン(アウェイ)だ。カタールは過酷なアウェイ戦、イランは4連敗中で、ウズベキスタンは順調にチームを鍛えている。どれも厳しい試合になりそうだ。
そのような状況にもかかわらず、韓国サッカー協会は「シュティーリケ監督の更迭はない」と明言した。この決定が韓国サッカーをどのような結末に持ち込むのかを、国民は苦しい心境で眺めるのみだ。
(取材・文:キム・ドンヒョン【城南】)
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