速攻向きの編成ゆえのパスワーク不全
日本はタイに引かれたときに上手く組み立てができなかった。もともと速攻向きの編成なのだ。久保裕也と原口元気の両ウイングはサイドへ張っていることが多く、中へ入ってインサイドハーフとしてプレーするタイプではない。カウンターで直線的に出て行くときは力があるが、狭いスペースでパスワークの軸にはなりきれていなかった。
最近はウイングのインサイドハーフ兼任が多くなっている。例えば、ブラジルのネイマールとコウチーニョは、カウンターではウイング、押し込んだときはインサイドハーフとしてプレーする。両サイドでウイング化するのはサイドバックだ。この形ならば、ボランチの組み立てる力が弱くてもさして問題はない。
日本の場合は4-2-3-1なので、香川真司が組み立てから崩しを担当しているが、1人ですべてはカバーできない。ボランチ経由のビルドアップ不全、遅攻になったときの連係不足、さらにウイングがスペースを埋めていてサイドバックにスペースがない、それらが重なってパスワークが上手くいかなかった。
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