青山、大谷、橋本、喜田…新戦力の台頭に期待
また6月のシリーズは事前に欧州組の特別キャンプが見込まれ、そこからシリアとの親善試合を経てイランでのイラク戦に入っていくことから、多少は新戦力のテストの余地もある。その意味ではやはり予備登録のメンバーに入っているブルガリアのベロエ・スタラ・ザゴラに所属する加藤恒平や代表経験もあるドイツ2部カールスルーエの山田大記なども候補には入る。
Jリーグに目を移せば、ブラジルW杯のメンバーで就任当初はしばしば名前もあがった青山敏弘、代表経験こそないものの細貝も加入した柏の中盤を長く支える大谷秀和、FC東京で高萩とボランチのコンビを組む23歳の橋本拳人、横浜F・マリノスの中盤を攻守に支える喜田拓也、新天地のヴィッセル神戸で好調を支える高橋秀人、さらに倉田秋とともに15年の東アジアカップのメンバーだった藤田直之といった選手が選ばれてもおかしくはない。昨年MVPの中村憲剛も現在はクラブで攻撃的なポジションを担うが、豊富な経験値はこのタイミングでこそ生かしやすいかもしれない。
大一番のUAE戦、さらに確実に勝ち点3が求められたタイ戦を2連勝で乗り越えたことにより、ようやく指揮官が予選の“最終ストレート“と表現するところまで来た。だが、ライバルのサウジアラビアとオーストラリアが直接対決を迎える中、イラク戦で躓けばそこから一気に転落する危険もある。
長谷部や今野の順調な回復を願いながら、ここで新たな力になり得る選手のアピールにも期待したい。それこそが残りの予選はもちろん、その先の競争を活性化することにもつながるはずだ。
(取材・文:河治良幸)
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