仲間の刺激を受けて達成した偉業。31歳のベテランは新たなスタートラインへ
ここ数試合の1トップは、大迫が不動になりつつある。しかし、岡崎は4歳年下の大迫のプレーを参考に、ライバルの成長がいい刺激になったことを明かしている。
「自分は同じポジションのサコ(大迫)がやってるプレーを見て、自分も逃げずに戦えばチームを助けられるってことを再認識した。それを参考にしながらやって『1トップ、もっとやりてぇ」って思いましたね。ここで耐えて、代表で出て、ゴールを取りに行きたいっていう。レスターとは全く違って、ゴールを求められるのはホントに有難いことですよね」
ハリルホジッチ監督体制になってからというもの、日本代表の1トップは大迫、武藤嘉紀(マインツ)、金崎夢生(鹿島)、本田圭佑(ミラン)、浅野と数多くのアタッカーが担ってきた。この2連戦で2ゴール3アシストと爆発した久保も最前線を担えるし、小林悠(川崎)ら国内組にも優れた選手はいる。
この4月に31歳になるベテランが大激戦のポジションで生き残っていこうと思うなら、今回のように仲間のいい部分をどんどん吸収して進化を遂げ、ゴールという結果を出し続けていくしかない。
「50得点」という偉大な記録も、岡崎にとっては「スタートライン」に他ならない。
「もう1回リセットして、フレッシュな気持ちでまたイチから積み上げていきたい。自分は周りに生かされてここまで来たとつくづく思いますし、今日もあのクロスで生かされた。生かしてくれる人のために、自分は何でもしなきゃいけない」と誰よりも献身的な男はしみじみと言う。
そのスタンスを変えることなく、背番号9は日本代表の進化のために、2018年ロシアワールドカップでのリベンジのために、高みを目指して走り続けていく。
(取材・文:元川悦子)
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