50点目は“らしさ”溢れるゴール。「ああいうヘディングも最近なかった」
開始8分の香川真司(ドルトムント)の先制弾を久保裕也(ヘント)と2人で演出したことで勢いに乗ったのか、岡崎は持ち前のアグレッシブさと泥臭さを色濃く押し出し始めた。大迫がUAE戦で見せた体全体で相手を抑え込むポストプレーも参考にしつつ、自らもDFを背負って時間を作り攻めのリズムを作ろうと試みる。こうした積極的なトライもチームに弾みをつけた。
迎えた19分、苦悩の日々を強いられた背番号9に待望の瞬間が訪れる。右サイドの久保のピンポイントクロスに反応。ニアサイドで頭を合わせてついにゴールをこじ開けたのだ。記念すべき代表通算50点目を一番得意なヘディングで奪ったところが、いかにも彼らしいらしい。本人の「原点回帰」が実った瞬間だった。
「どうしても(得点)感覚が全然なかったんで、最近(フィリッポ・)インザーギのゴール集とかを見返してイメージを持つようにしたんです。ホントに実際ボールが当たる瞬間まであのゴールをイメージできたんで、自分にとってはよかったし、チームにとっても大きかったなと思います。ああいうヘディングも最近なかった。自分のFWとしての感覚をもう1回蘇らせるって意味でもよかったと思いますけどね」と岡崎は地道な努力の成果だったことを明かした。
節目の1点のインパクトは大きく、ボスニア人指揮官は最後まで彼をピッチから下げようとはしなかった。岡崎が90分フル出場を果たしたのは、2015年9月の2次予選・アフガニスタン戦(テヘラン)以来、実に1年半ぶりであった。
「ゴールが49で止まっていただけじゃなくて、フル出場も何年ぶりじゃないかと。代表のフル出場なんかホント最近はなかった気がする。先発がなかなかないのもそうだけど、途中から出ても決められなかった。今回は久しぶりにフル出場できて、FWとして悪くない役割ができたんじゃないかなと」