職人今野がまた必要になる日
攻撃的にプレーする今野は前線からボールを追うことも少なくない。元々インターセプトを得意としているため、攻撃的に守備をすれば、より高い位置でボールを狙える。G大阪でもそこからチャンスが作っている。UAE戦でも常に相手の前でボールを狙っていた。
本人は「ボランチというよりもインサイドハーフのような意識でプレーした」と言っているように、G大阪と同じように高い位置でボールを奪うことを目的として、コースを限定し、山口蛍がカットするような場面もあった。
ボールを奪えば積極的にゴールへ絡む姿勢も見せており、これまで国際Aマッチ通算86試合で2点しか取っていなかった日本代表のゴール数を3に伸ばすことができた。これは奇跡ではなく、必然だったに違いない。
高い位置から相手のボールを狙い続けた今野泰幸【写真:松岡健三郎】
チーム作りの時間がない中で、さらに代表(ハリルジャパン)ではほかの選手たちと全然一緒にプレーしていない難しさがある中で、今野の良さである「走って相手をつぶしてシンプルなプレー」が光輝いた一戦となった。
今回はケガで離脱となったが、職人今野がまた必要になる日は来るだろう。それは本大会かもしれない。
(写真・文:松岡健三郎)
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