縦位置写真が多くなった今野。前へ顔を出していることの証左
カメラマンが撮影するとき、ボランチの選手の写真はほとんどが横位置で収まる距離でプレーをする。サッカー選手は足でプレーするため、基本的には全身を入れて撮りたいと思っているので、近くに来ればカメラを縦にして、頭から足まで入るように撮影している。カメラに向かってくるプレーの中で、横から縦に撮影を切り替えるタイミングは慣れるまで難しい作業でもある。
ちなみにこの試合で言えば山口蛍の縦写真は撮れなかったし、長谷部誠を撮るときもなかなか縦写真を収めるのは難しい。
今野のイメージといえば謙虚で穏やかな性格。この試合でゴールを決めたヒーローは試合後「もうでき過ぎっすね。奇跡ですね、奇跡(笑)」と謙虚なコメントを残した。
しかし、今季のG大阪の試合を見ていれば、これは奇跡ではなく、34歳にしてもなお進化した今野の結果だと私は思った。G大阪を撮影したとき、今野を縦位置で写真を撮ることが多かった。それはゴールの近くでプレーしている証拠だし、アグレッシブに前へ出てきているからである。
もちろんポジションがボランチではなく、インサイドハーフであることもある。さらには声を荒げてアピールする場面もあり、これまでの今野とは違う雰囲気を感じた。
ガンバ大阪で闘志をあらわにして戦っている今野泰幸【写真:松岡健三郎】
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