サイドが強みと語る香川。タイ戦でも戦術の鍵に
そこで気になるのが、今回の布陣だ。本来の4-2-3-1に戻るのか、UAE戦の4-3-3を継続するのかは、指揮官も思案のしどころだろう。ただ、本職のボランチ要員が山口蛍(C大阪)1人しかいない現状を考えるとダブルボランチは難しい。守備的に戦うタイを想定すると、UAE戦同様、インサイドハーフに2人を配置して、やや攻撃的にいくのが有効ではないか。
この場合、経験値と創造性を考えると、香川と清武弘嗣(C大阪)のコンビの先発が有力だ。前回途中出場で持ち味を発揮した倉田秋(G大阪)を起用するのも妙案ではあるが、やはり前者2人のボール支配力、個のアイデアや戦術眼は捨てがたい。
「守備を固められる中、自分がどう動くのかが試される戦いだと思っているので、自分のやりたいことや判断をどんどんやっていきたい。アクションサッカーに積極的にトライしていきたいので、自分の担うものは大きいと思っている」と香川も言うだけに、彼らが連係して相手を混乱に陥れることが重要だ。中盤でしっかりとリズムを作ることができれば、サイドアタッカー陣も生きてくるはずだ。
中を固められた状況下では外からの攻めがより重要になってくる。UAE戦の日本は右サイドの酒井宏樹(マルセイユ)と久保裕也(ヘント)のコンビがイキイキと連動し、実際に先制点も奪った。
左サイドはオマル・アブドゥラフマンやイスマイル・アルハマディの突破を封じるのに忙殺され、ダイナミックな攻めをあまり繰り出せなかったが、タイ相手なら長友佑都(インテル)と原口元気(ヘルタ)のコンビで相手を凌駕できるはず。香川も久保と原口をどう生かすかが、試合の明暗を分けるポイントだと見ている。
「そこ(サイド)が今の(日本の)強み。次はスペースを与えてくれない中で、UAE戦と同じことをやっても難しさはあると思う。チームとしての狙いをサイドに置きながらも、できなかった時にどう動くのかといったアイデアは自分が見出していかないといけない。普通にやったら苦労する相手だと思っているので、個人的な戦術やアイデアを生み出していかないと、彼らも生きてこない」と背番号10は改めて強調する。