代役不在なら、天性の才能を持つ香川は当然の選択肢
香川真司と本田圭佑は世界に名の知れた2人のスター選手であり、調子の良い日ならチームを勝たせる決定的な仕事をすることができる。だが残念ながら両者ともに今季は所属クラブで安定した出場機会を得られず、代表チームからも除外すべきだという声が上がることになった。
ハリルホジッチ監督自身も、コンスタントに出場時間を得られていない者はメンバー選考の対象外にすると公言し、選手たちの危機感を煽っていた。
だが64歳の指揮官は現実主義者であり、代表チームとクラブチームが全く別の生き物であることを理解している。クラブは9ヶ月間を通して1週間に1試合か2試合を戦うものであり、短期的プランと長期的プランのバランスが必要とされる。
一方で代表チームは、毎回の招集ごとに1試合か2試合だけに集中することになる。たとえ国際大会であっても、大半のチームは3試合か4試合程度を戦うだけだ。
ハリルホジッチ監督はそのことを念頭に置いた上で、あまり先のプランを立てるのは不可能であること、毎回のメンバー選考はその時点での状況に基づいて行われるべきであることを理解している。30人程度の選手が各クラブで先発起用されポジションを争っていれば理想的かもしれないが、現実的にはそれは起こらないことだ。
特に香川に関して言えば、10番のポジションで先発すべき状態ではないし、最近は先発しないこともあった。清武が代役を務めていたが、その清武自身も調子を落としてしまった。代役に名乗りを上げる選手がいないのであれば、最も経験豊富な、そして最も天性の才能に恵まれた選択肢を採るのは道理にかなうことだ。
確かに香川は攻撃の指揮を執ることができているわけではなく、それは長期的には間違いなく修正すべき問題ではあるが、それでもやはり相手は日本の背番号10に引きつけられ、空いたスペースを原口や久保が利用することができる。