本人はロシア行き望むも…国内では再招集を求める声は聞かれず
折り返し地点を迎えた欧州予選でイングランドは5試合を4勝1引分け。強敵不在のグループFで順調に首位に立っている。それだけに、前線の顔ぶれに故障者続出でもない限り、ルーニーは来年のロシア行きどころか、次なる通算120キャップ目への到達も難しい状況だ。
無論、本人はロシア大会を代表引退の花道とすることを望んでいる。指揮官も「復帰の可能性は十分に残されている」と言ってはいる。キャプテンでもあったベテランが、メディアで「容赦なく」と形容された代表落ちから復活した前例には、20年前のデイビッド・ベッカムがいる。
当時のスティーブ・マクラーレン監督は、前年に3バックへのシステム変更が裏目に出たEURO2008予選での敗戦から、翻意を余儀なくされる道を辿り始めたと言える。
だが、同じキャプテン切りと3バック試用でも、メディアで「強引」と言われた当時の新監督とは違い、現在の新監督による判断は「妥当」と理解されている。そして、サウスゲート体制の正式スタートを目撃したイングランドで、ルーニー再招集を求める声は聞かれない。
(取材・文:山中忍【ロンドン】)
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