久保のレギュラー奪取は「何ら不思議なことはない」。タイ戦での起用法は?
しかし、本田は動じることなく自身の立場を冷静に客観視している
「UAE戦での裕也の活躍? 嬉しいですよ。それは別に危機感がないと言うことではなくて、サッカーのスタンダード。何ら不思議なことはない。最近、僕がミランでもここでもレギュラーというポジションを取られているってだけの話なんで。これは起こり得る現実。むしろそれくらいのレベルに日本代表がなってきたっていうふうに捉えていい。逆に僕がここで競ることができて、もう1回、(ポジションを)取り返せるような状況を作れれば、もっと日本代表がいい感じになるんじゃないかなと思います」
久保のコンディションに問題がなければ、タイ戦でも先発となるのが定石だろう。とはいえ、ボスニア人指揮官のこれまでの采配を見ると、本田の復調を期待して先発復帰させる可能性も少なからずある。久保は1トップもシャドウもサイドも全てこなせる万能型だから、大迫や原口元気(ヘルタ)の位置でプレーすることも十分できる。本田がスタメン復帰するとしたら、久保を別のポジションで使うケースも予想される。
もし久保を右のまま動かさずに本田がスタメンに名を連ねるとしたら、昨年10月のオーストラリア戦(メルボルン)同様、1トップに入る形が考えられる。大迫の代役一番手にはレスターで一気に調子を上げてきた岡崎慎司がいるが、UAE戦の87分に原口の絶妙のスルーパスを外すなど、鋭い得点感覚が失われている印象が否めない。
「(原口からラストパスをもらった)ああいうところで自信を持って打ちきれなくなっている。ストライカーとしての自分をこの代表で取り戻したい」と背番号9も焦燥感を露わにしていた。その岡崎を信じて使うのか、9月に行われたアウェイのタイ戦(バンコク)で抜擢した浅野拓磨(シュトゥットガルト)に再びチャンスを与えるのか、それとも追加招集の小林悠か、あるいは本田か。ハリルホジッチ監督が4つの選択肢のうち何を重視するのか注目したい。