FIFAクラブワールドカップ2016で躍進した鹿島アントラーズ
昨年、鹿島アントラーズがFIFAクラブワールドカップ2016で決勝進出を果たした。代表チームの国際舞台とは別の次元であるクラブレベルでアジアサッカークラブ初の快挙。世界最高のクラブと呼ばれるレアル・マドリーとの決勝での対戦はそれ自体だけでも話題になり、日本では放送した日本テレビの視聴率が実に26.8%という驚異的な数字を記録した。
鹿島の挑戦は準優勝に終わったが、鹿島のレベルと完成度は日本のサッカーファン・関係者に強い感銘を与えるものとなった。鹿島アントラーズはいったい何が優れていたのだろうか。今回は、データ分析会社であるTeam Twelve社が開発したサッカー戦術解析モデルであるBuildup 6(ビルドアップ6)*(以下「Buildup 6解説」参照)を使用して紐解いていきたい。
Buildup 6はサッカーの試合で起きる攻撃のパターンを6つに分類し、各プレーの達成度に応じて3つのレベル分けをし、立体的にチームのプレーパターンを分析するモデルである。
従来のデータ分析では、パスやシュート数を単純に数値化するのみで、攻撃の有効性やプレーの質と脈絡を把握できていなかった。だが、Buildup 6では各プレーに関与した選手もデータとして蓄積し、それぞれのチームまたは選手のプレーがどれほど効率的で脅威的であるかどうかを客観的、定量的に把握することができる。
また、あるチームの Buildup 6データ分析は相手チームの守備力の分析にも活用できる。全く新しいサッカー戦術解析モデルであるといえよう。