ハリルJ、敵地でUAEを一蹴。34歳の今野が抜群の存在感
6大会連続ワールドカップ出場を果たすべく、敵地UAEでのリベンジが求められた23日の日本代表。しかし大一番を前に長谷部誠(フランクフルト)、高萩洋次郎(FC東京)の両ボランチが離脱。中盤が手薄になってしまった。UAEには2016年アジア年間最優秀選手に輝いたオマル・アブドゥルラフマンという天才司令塔がおり、彼を確実に封じなければならなかった。
そんな中、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督がどんな対策を講じるかが注目されたが、ふたを開けてみると、今回の日本代表の基本布陣は4-3-3。中盤のアンカーに山口蛍(C大阪)を据え、右インサイドハーフに香川真司(ドルトムント)、左インサイドハーフに今野泰幸(G大阪)を並べるという大胆なトライに打って出た。
2年ぶりに代表復帰した今野も「オマルの管理っていうのは相当口酸っぱく言われたし、試合前からミーティングとかも沢山した。でも相当技術が高いんで、入る前はすごい不安でした。ポジションもガンバでやってるのとはやっぱり違う。全然一緒にプレーしてない人といきなりやるわけだから連携もくそもないし、ハリルのサッカーも体感していない。すごい難しさはありました」とピリピリするような緊張感の中、試合に挑んだという。
それでも今野と山口、左FWの原口元気(ヘルタ)、左SBの長友佑都(インテル)、左DFの森重真人(FC東京)の5人を中心としたオマル潰しはうまく機能した。彼がボールを持つと2~3人がチェックに行って仕事らしい仕事をさせない。昨年9月の最終予選初戦で2得点を挙げて日本を奈落の底に突き落としたアハメド・ハリルが負傷欠場し、日本のDF裏に飛び込んでくるのがアリ・マブフート1人だったのも幸いし、相手に主導権を与えなかった。
そんな状況下の前半14分、新天地ヘントで7戦5発とゴールラッシュを見せている久保裕也が凄まじいゴールへの嗅覚を見せて先制点をゲット。「最初に久保が点を取ってくれたんで、僕も安心しましたね。ホッとしました」と今野も語ったが、それはチーム全体の共通認識だったに違いない。