日本代表の今野泰幸【写真:田中伸弥】
【日本 2-0 UAE 2018年ロシアW杯アジア最終予選】
日本代表は現地時間23日、ロシアW杯アジア最終予選でUAEと対戦し、2-0で勝利した。
15年3月31日のウズベキスタン戦以来の代表戦となった今野泰幸が、敵地での勝利に大きく貢献した。インサイドハーフとしてピッチに立つと、鋭い出足でボールを奪い取ってはピンチの芽を摘んだ。そして後半には、クロスに走り込んでチーム2点目を奪取。持ち前の嗅覚を発揮した。857日ぶりとなる代表戦での得点だが「できすぎっすね。奇跡ですね、奇跡」と笑った。
相手エースのオマルを沈黙させた。UAEのキープレーヤーについてはかなり警戒していたようだ。
「相当口酸っぱく言われたし、 試合前からミーティングもたくさんした。でも相当技術高いんで、入る前はすごく不安でしたけど、 みんな声を出し合いながら守れたかなと」
ベテランらしい安定感と躍動感を見せたが、試合前は「不安はあった」という。
「全然一緒にプレーしてない人といきなりやるわけだから、 連係もクソもないし。ハリルさんのサッカーというのを体感してないし、 すごい難しさがあった。でも、とにかく自分の良さっていうか、 とにかく走って、相手を潰して、シンプルなプレーをしようってのは考えていた」
「必死でした」と苦笑いを浮かべた今野だが、大車輪の働きは誰もが認めるところだろう。長谷部誠の離脱はハリルジャパンにとって大きな痛手だった。しかし、キャプテンの不在を感じさせない今野のパフォーマンスはチームの希望となった。勝利の立役者は、単なる代役ではない、抜群の輝きを放った34歳のMFだった。
(取材:元川悦子、文・構成:編集部)
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