終盤なら浅野がヒーローに? アタッカー陣に求められる勇気と積極性
試合の終盤に点が欲しい場合は浅野拓磨の投入が有効だ。ここ最近シュトゥットガルトでなかなかゴールを決められていない浅野は「チャンスはたくさんありましたけど、その中でも結果が出ないとなかなか、この先も難しい」と語り、危機感をつのらせている。
ただ、1つのゴールでガラリと状況も立場も変えうるのがストライカーであり、結果が出ない中でも「冷静にプレーはできている」浅野はそのことを自覚している。
「結果がすべてというところで、今までいい人が出られるかというとそうではなくて、今いい人が試合に出られて出続けられると思う。そのために1つのチャンスを大事にしていかないといけないですし、今は追いかける立場ですけど、そのチャンスをものにできれば世界も変わります、そこは1つのチャンスを大事に結果を貪欲に求めていかないと」
UAEがどんなに強くタイトな守備をしてきても、後半の途中から縦にも横にも間延びが生じやすくなり、攻守の切り替わりにも対応しにくくなる。そこで浅野のスピードが発揮されれば、うまくいけば一発でディフェンスの裏を突くことができ、そこに対応されても中盤と最終ラインの間にスペースを生みやすくなる。特に今回のUAEはボランチに出場停止と負傷者が出ているため、本来の選択肢から起用することができない。そこは先発の選手も狙いどころだが、浅野が後半途中から入ってくればより有効になる。
アウェイでの戦いは前回の対戦ほど日本にチャンスを与えてくれないかもしれないが、アタッカー陣がより勇気と積極性を持ってゴールを貪欲に狙い続ければ結果が出る可能性は高まる。そこで誰がヒーローとなるかは不明で、勝利をもたらす得点はDFやボランチの選手が決めても値千金の価値があるもの。ただ、前線の選手がゴールを決めれば“真のゴールゲッター”として最終予選の残り試合はもちろん、ロシアW杯に向けても頼れる得点源として注目が高まるはずだ。
(取材・文:河治良幸【アル・アイン】)
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