絶好調の大迫と久保。特徴の違う2人の生かし方
大迫のそうしたスタイルは、ホームで比較的高い位置からプレッシャーをかけてくることが予想されるUAEのディフェンスの裏を突く第一の武器となり、引いて守られてもゴール前での脅威になるはず。普通ならピンポイントに合わせないと決まらないようなシチュエーションでも、大迫は相手ディフェンスを制して広めにアジャストできるため、シンプルな崩しから得点しやすくなる。
UAEが誇るモハナド・サレムとイスマイル・アハマドのセンターバックコンビは高さと強さに絶対の自信を持つが、一瞬の動き出しに距離を空けてしまいがちで、身長192cmのアハマドはより難点が大きい。
大迫は純粋な高さや強さだけでなく、柔軟性と機敏性を併せ持つ選手であり、効果的なポストプレーで攻撃に深みを与えながら、高い位置からチャンスを作れれば、タイミングよくフリーでシュートに持ち込む、あるいはラストパスに合わせるシーンを見出せるはず。あとはそこで決めることができるか。
久保裕也はスイスのヤングボーイズに所属していた前半戦から好調なプレーを見せており、その活躍で評価を高めて昨年11月のオマーン戦で日本代表デビューを果たした。サウジアラビア戦では右ウィングで先発起用されると、相手のハンドを誘うきっかけとなるクロスを上げるなどインパクトは残したが、この試合中に右膝を負傷した影響で、クラブで年内の欠場を強いられた。しかし、そこからベルギーのヘントに移籍すると、その後の出場7試合で5得点とゴールを重ねて今回の代表戦に良い流れで臨んでいる。
FWの発表をする際にハリルホジッチ監督は「彼らはより多くの試合に出ている選手で、点はあまり取っていないのも事実だが、久保はたくさんの試合で点を取っているので興味深く見ている。欧州で彼を観に行ったが、他の選手と比較して勇気や思い切りがある」と数字通り、ストライカーとしての期待を示している。久保の場合はクラブでもウィングやワイドのシャドーから得点できるという特徴がある。