打倒UAE。チャンスを確実に生かせるかが勝負の鍵に
UAEに勝利するために大事なことは何か。相手の司令塔オマル・アブドゥラフマンをいかに止めるか、アウェイの雰囲気にいかに飲まれないか、ジャッジにどう向き合うか、もちろん離脱したキャプテン長谷部誠の代わりに誰がキャプテンマークを巻きリーダーシップをとっていくかなど注目するべき点は多いが、何より勝負の決め手となるのはチャンスでゴールを決めきれるかどうかだ。
1-2で敗れた前回の対戦は前半11分に清武弘嗣のFKから本田がヘッドで決めて先制したが、トータル25本のシュートで結局その1点に終わり、UAEのシュート数は日本の半分以下の9本ながら直接FKとPKで2点取られて敗れた。
さらに振り返ればアギーレジャパンの最終戦となったアジアカップ準々決勝のUAE戦も1-1のまま延長戦でも勝負がつかずPK戦決着となり、日本はシュート32本、UAEはたったの3本だった。
UAEに対する“リベンジマッチ”とも呼べる大一番で殊勲のゴールを決めた選手はヴァイッド・ハリルホジッチ監督も常に探している“真のゴールゲッター”に近づくことになり、今後に向けた信頼もかなり高まるはずだ。
もちろん日本に得点が入るなら、それがセットプレーからDFのヘディングシュートであろうと、極端な話オウンゴールでも問題ない。それでも期待という意味ではアタッカー陣が候補になる。
アジア最終予選5試合を終え、原口元気が4得点、2次予選を合わせれば本田が7得点を記録しているが、最近のクラブで結果を出している大迫勇也と久保裕也には大きな期待がかかる。大迫は今季のケルンで6得点ながら、その大半が“半端ない”というお決まり表現通りのスーパーゴール。さらに5アシストを記録するなど、チームの得点に直結するプレーが多い。
ハリルジャパンでの初登場となった昨年11月のオマーンとの親善試合では、かつて慣れ親しんだカシマスタジアムで躍動し、前半だけで2得点を決めた。しかし、続く最終予選のサウジアラビア戦は抜群のキープ力と迫力ある仕掛けから何度もチャンスの起点になったものの、自らゴールを決めることはできなかった。
先週末のヘルタ・ベルリン戦で無回転のロングシュートを決め、観る者の度肝を抜いた大迫は「チームと代表は別なので、役割も違いますし。ただ、いい気分で入れたので、試合もスムーズに入れるんじゃないかと思います。僕はゴールを狙うだけなので、シンプルに頭を切り替えてやりたい」と語る。
「こっちに来てもそんなに考えてやることはないと思うし、ゴールに向かってくことですね。どんどんゴールを狙うこと。相手に勢いがあるなって感じさせること」