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小林祐希が拓いた新境地。ヘーレンフェーンの“頭脳”、実力で引き寄せた厳しいマーク【海外組の真価~日本人選手の現在地】

text by 中田徹 photo by Getty Images

「俺はアホではないから、2度、同じ間違いを犯さない」

ストレッペル
小林祐希をベンチに迎え入れるヘーレンフェーンのユルゲン・ストレッペル監督【写真:Getty Images】

 ここまで小林はリーグ戦23試合に出場し、1ゴール、ノーアシストと数字は残せてないが、相手チームはヘーレンフェーンの攻撃の起点となっている小林を抑えようと厳しいマークを付けている。3月3日の対戦相手、ゴー・アヘッド・イーグルスはダニエル・クローリーを小林のマーク役にし、幾度となく小林の持っているボールを狩るように奪い取った。

「俺はアホではないから、2度、同じ間違いを犯さない」

 そう反省した小林はボールを貰う前の首を振る回数を1、2回から、3、4回に増やすことを意識して練習に取り組み、周りの選手の配置、人数、気配、空間を把握するようにした。それが実り、3月19日のフェイエノールト戦の前半、小林は見事なゲームメークを見せた。

 ハーフタイムにはフェイエノールト兼オランダ代表番記者のミコス・ハウカが唸るように「小林は素晴らしい。彼はスペースを見る目がある。味方に落ち着きを与える姿も見事だ」と私に語りかけてくる一コマもあった。

 もっとも好調だった前半、フェイエノールトの選手は荒いファウルで小林を痛めつけていた。腿に打撲を負った小林は、後半になってから「力が入らなくなってしまった」(本人試合後談)ため、ボールタッチが減ってしまい、64分でベンチに退いた。

 フェイエノールトの度を越した小林潰しに、ストレッペル監督は憤りを交えて語った。

「フェイエノールトは何度か厳しいファウルを祐希に与えた。彼らは祐希がいいプレーをすることを分かっていた」

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