開幕から3試合2ゴール。順調なスタートの中で襲った膝の負傷
リーグ戦開幕3試合で2得点を決めるも、再び膝を負傷してしまった武藤嘉紀【写真:Getty Images】
マインツでのプレーが2年目となる武藤嘉紀のスタートは順調だった。ブンデスリーガ開幕戦、アウェイでのドルトムント戦で81分から出場。後半アディショナルタイムに今季チーム初得点となるゴールを挙げる。第2節のホッフェンハイム戦は出番がなかったものの、第3節のアウグスブルク戦では67分に途中交代でピッチに入り81分にはシーズン2点目のゴールを決めた。
そんな好調なスタートを切った武藤だったが、スタメン定着を脅かす事件が起きた。2016年9月29日に行われたヨーロッパリーグ(EL)のグループリーグ第2節、アウェイでのガバラ戦で先発した武藤は、41分に先制点を挙げるも84分に右膝を痛めて途中交代を余儀なくされる。検査の結果、右膝の内側側副靭帯の損傷と判明し、全治4週間と診断されたのだ。
ヨーロッパリーグでの負傷の7ヶ月前にも武藤はハノーファー戦で右膝の外側靭帯を損傷していた。この怪我からの戦列復帰間近となった3月下旬の練習で再び同じ個所を負傷し、シーズンを棒に振ってしまった過去がある。ようやく怪我も回復し、出場機会を得ようという矢先にまた同じ右膝靭帯を痛めるというアクシデントに見舞われてしまったのだ。
結局今季前半は公式戦5試合に出場、3得点のみに終わった。武藤自身も、さぞ悔しい思いをしたに違いない。
武藤は怪我の直後にマインツの公式ツイッターを通じて「今回このような怪我でサッカーから離れるのは非常に残念ですが、マインツの勝利と躍進を願っています」とファンにメッセージを発信していた。「さらに成長してピッチに戻って来られるように」という強い気持ちでリハビリに励み、復帰に向けトレーニングを重ねた甲斐あってウィンターブレーク明けの第17節、ホームで行われたケルン戦で再びピッチに戻ってきた。
慶應義塾大学4年時にFC東京とプロ契約を結び、そこから日本代表に選出され、昨シーズンからはマインツでプレーし、移籍1年目で7ゴールを挙げるなどエリート街道を突っ走ってきた中での度重なる怪我。おそらく、彼にとっても人生で初めての苦難だったのではないだろうか。