「本田の代わりをできる選手がいるのか」
ハリルホジッチ監督は本田圭佑や長友佑都ら、これまで長きにわたって日本代表を支えてきたベテラン達への信頼を強調した。たとえ所属クラブで出場機会が少なくとも、彼らの経験を信じて招集し続けている。
「本田の代わりをできる選手がいるのか考えなければなりません」
この一言に「俺なら本田の代わりになれる」と一発で解決策を提示できる若手選手はいないだろう。
「私は若い選手でも使ったりしてきましたが、選手たちのメンタル面などいろいろな面を準備しなければいけない。若手を使った時、少し準備をしなければならない。試合が終わった後、少し敬意を持ちすぎて相手を恐れていると感じることがあった。そういった意味でも本田のような選手はこれからも必要だと思います」
予想できないイレギュラーがいつでも起こりうる、過酷なアジア最終予選を勝ち抜くにあたって、日本の若い選手たちは“戦う”準備ができていないと、ハリルホジッチ監督の眼には映ったのかもしれない。
今回の招集メンバーで注目を集めたのは、今野泰幸や高萩洋次郎といった30代の選手たちの代表復帰だった。前者はW杯でプレーした経験があり、後者はアジアで数々の修羅場をくぐり抜けてきた稀有な存在。苦しい戦いが予想される前回対戦で敗れたUAEとのアウェイゲームで必要な経験が、彼らの中に秘められている。
そして、海外組への信頼へも顕著になった。FWとして登録された7人は、全員ヨーロッパのトップリーグでプレーする選手だった。「点をあまり取っていない」と得点力に懸念を示したが、それでもトップレベルでチーム内の競争に身を置く彼らへの信頼は根強い。
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